≪食糧問題は国防問題でもある≫

 応援クリックお願いします人気ブログランキングへ投票する!!人気ブログランキング

 こちらも応援お願いしますFC2ブログランキングへ投票する!!FC2ブログランキング


 まず今日はこの図をご覧頂きたいと思います。


日本の仮想水輸入量


 この上図は、『バーチャルウォーター(仮想水)』と言って1990年代に、ロンドン大学のトニー・アレン教授が提唱したもので、「水資源が絶対的に足りない地域への食料の輸入は、その生産に必要な水資源を他の用途に転用可能であるという意味であたかも水の輸入と同じである」という考えで示された一つの指標です。

 簡単言うと、日本が輸入している農産物、畜産物、工業製品などをすべて『水』に換算して、どれだけの水量を輸入しているのかを示している図です。しかし、上図で示されている程の水量は日本の農地では確実にまかないきれません。

 これは2000年のデータであるため、近年のデータであれば間違いなく『支那産からの仮想水』、つまり食糧の支那産依存度は遙かに高くなっているものと思われます。

 このバーチャルウォーターは様々な見方が出来ますが、関連する事項を東京大学生産技術研究所の沖大幹教授が詳細な論文をまとめておられます。(参照外部リンク:『世界の水危機、日本の水問題』

 2006年の12月21日に米国産牛肉の輸入に対して抗議する意味でも、『私は吉野家では食べない。』というエントリーでこの図を紹介しました。なぜ私が肉をあまり食べないのかという理由の一つがこれらの図に表されています。

 代表的な農畜産物1トンを生産するのに必要な仮想水は以下の通り。

 ・牛肉 20.6t
 ・豚肉 5.9t
 ・鶏肉 4.5t
 ・米   3.6t
 ・卵   3.2t
 ・大麦 2.6t
 ・大豆 2.5t
 ・小麦 2.0t
 ・トウモロコシ 1.9t

畜産物の水消費


 つまり、農産物は田畑に出来上がった種子、根、葉などを直接食べる物であるが、あらゆる畜産物は家畜に飼料(トウモロコシなどの農産物)を与えて、成長させてから初めて人間の食料として使われる。ですから飼料生産と家畜飼育する両方の分で莫大な水量を使用している為、非常に生産効率が悪い食料と言えるのです。


≪日本の食料自給率の推移≫
食料自給率の推移

 日本の食料自給率は金額ベースが70%であるのに対して、カロリーベースでは40%となっている。普段我々が一般的に耳にするのはカロリーベースの40%であるが、なぜこんなにも開きが出るのだろうか。

 金額ベースというのは、国産品の割合を金額で換算したもの。つまり、1ヶ月10万円の食費で70%(金額ベース)であれば、7万円は国産品で、あとの3万円は輸入でまかなっているという事です。

 一方、カロリーベースというのは、国産品の割合を熱量(カロリー)で換算したもの。つまり、1日3000calを消費する人で40%のカロリーベースであれば、1200calは国産品で、あとの1800calは輸入でまかなっているということです。

 これは、野菜や果物などのように値段はそこそこでもカロリーが低いものに国内産が多い事が理由の一つとなります。


≪増大する医療費の削減方法≫

 米国産を使用している吉野家に限らず、豪州産の畜産物を使用している外食産業や、莫大な輸入飼料に頼っている畜産業が現状のままであれば、日本の食料自給率(穀物自給率、カロリーベース)を改善する事は不可能に近いものと思われる。(ハンバーガーや、ピザなどのファーストフードも含めて、動物性蛋白質の取り過ぎでカロリー過多になっている。)

 しかし、我々が危機感をもって認識しなければならないのは、日本人の食生活の欧米化が「肉食大国日本」をもたらしている結果でもあり、単に地産池消、国産品の生産向上と普及だけの政策では何の解決にもならない事を理解しなければならない。

 そして、食生活の欧米化が生活習慣病である、ガン・糖尿病・心臓病・高脂血症・高血圧を誘引している原因の一つである事が分かっている今、病気を治療する医療だけに税金を大量に投入し、莫大な医療費を毎年費やすだけではなく、出来る限り『日本人を病気にさせない!』ような抜本的な医療政策を農水省、厚生労働省が共に考えるべきであって、まず高齢者が多くなるから病気ありきという短絡的な思考や、偏った常識を取り去るべきである。

 予算が増えて医師が増えてもその分病人が増えればイタチごっこだ。医師が増える事で健康ケアが行き届いて病気に罹患する人が減れば良いが、近年も変わらずガンや
糖尿病などの生活習慣病に罹患する患者数は増加傾向にある。病院への来院患者数や薬の使用量が増えればそれだけ保険料請求も増えるため全くもって意味がない。

 食の問題を無視し、経済・軍事イデオロギーのみで米国、支那などとの外交問題を語るのは私からすれば木を見て森を見ずに思えてならない。

 食の問題無くして国防を語るべからず。外交・軍事・経済と並んで重要な国防対策の一つとして食料自給率は語られるべきではないだろうか。


 応援クリックお願いします人気ブログランキングへ投票する!!人気ブログランキング

 こちらも応援お願いしますFC2ブログランキングへ投票する!!FC2ブログランキング